テーマ:給料明細書の中身知っていますか?私たちの給料どうしたら上がるの?

特別講演

司会:有田 誠一郎(福岡記念病院)
高山 享(岡山旭東病院)

 

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前田 博司
社会福祉法人財団白十字会 佐世保中央病院 臨床工学部 部長

臨床工学技士が誕生して36年が経過しています. 誕生したその年に生れた方々もすでにCEとしてはベテランと言われる年代となり後進の育成や, 現場の中心的役割を担っている人財へと成長していると思います. 国家資格となって以来, 延べ5万人以上が国家資格を取得し, 日本臨床工学技士会会員も2.3万人を超え, その内約60%は40歳以下の方が占めています.

私たちはこの職を選び, この職業をもって医療人として日々精進しながらチーム医療の一翼として患者さんに奉仕の心で業務にあたられていると考えます. また, 我々にはこの国家資格を未来永劫維持発展させる義務があると考えています. 昨今, 急速に変化する社会情勢, 物価高騰, 少子超高齢化などの問題もありますが, 志向も嗜好も様々, 生活様式も多様であるなかで, ご自身がどうありたいか, どう生きていくかという事に対して, 重要なウェイトを占めると思われる, 給与明細に関しまして, 勤怠・支給・控除に関してお話をさせていただき, 昨今の給与事情を踏まえつつ, ディスカッションへつなげたいと考えています.

本間 崇
日本臨床工学技士会 理事長

日本臨床工学技士会は, 臨床工学技士の職業倫理の高揚と学術・技術の研鑽および資質の向上を図り, 医療機器に支えられた医療・福祉の信頼性の向上, 国民の医療・福祉の発展に継続的に寄与することを目的として発足した. 臨床工学技士法が公布されてからの医療の進歩や変容は目覚ましいものがあり, 特に現代医療には医療機器が不可欠なものとなっており, その役割もますます拡大している. また, 社会の多様化に伴い労働者の働き方改革が行われており, 医療界においても医師の働き方改革に伴って臨床工学技士法が改正され, 臨床工学技士にとって新たなステージへの道が開かれている. 医療機器の専門職として治療の質の向上と安全確保に向け, 「いのちを支えるエンジニアとして, すべての人の健康と笑顔を追求します」という理念のもと業務を行うことが求められる.

臨床工学技士は, 医療の専門知識と技術的なスキルを駆使して, 医療機器の性能や安全性, 正確性, 信頼性を維持するために確実な保守・点検を行い, これらの医療機器を医師の指示の下で, 安全に操作することが求められる. 患者の治療にあたっては, チーム医療が不可欠であり, 臨床工学技士は医療機器の操作を通し支援していかなければならない.

以上のような臨床業務を効率的に行うためには, 多様な職種との連携が重要で, 調整能力やコミュニケーションスキルを活かし, 多職種間で円滑な連携を図ることが求められる. とが求められる. 患者の治療にあたっては, チーム医療が不可欠であり, 臨床工学技士は医療機器の操作を通し支援していかなければならない.

今後は, 医療DXやサイバーセキュリティ対策が急務となっており, 医療機器から発生する膨大なデータを安全に管理することや, 診療に有効活用されるようにすることも臨床工学技士に求められてくる. このように幅広い業務を行うことで, 医療施設内での臨床工学技士の存在価値を高めることが重要なことである.

肥田 泰幸
日本臨床工学技士会連盟 理事長 東都大学幕張ヒューマンケア学部 助教

1987年に定められた臨床工学技士法は「医師の指示のもと生命維持管理装置の操作及び保守管理を業とする. 」と明記されている. 当時, 工学技術が医療に欠かせない時代となったため, 臨床工学技士が誕生しまさに医療機器の操作と保守管理を業として成長を遂げ, 医師や看護師をはじめとする医療職種や患者さまの信頼を勝ち得てきた. 臨床工学に対する先人たちの意欲的な取り組みと, 真摯な姿勢が現在の臨床工学技士の礎であるといって過言でなない.

時を隔てて昨今の医療はAI, 人工知能を皮切りに, デジタル技術が本流となっていることに疑いの余地はない. 医療機器の進化版ともいえるダィンチやSaMD(Software as a Medical Device)と呼ばれるプログラム医療機器が保険収載されるほどの変わりようである. あまりに進化が早すぎて, 医工学の専門家が待望され臨床工学技士が誕生した構図と類似しているにも拘わらず, その専門家はいまだ存在しない.

そんな中で, 新型コロナウイルスの感染拡大によって, 情報集約の手段にデジタル技術が有効であることが再認識され, 政府は医療DXの推進に舵を切った. その一方でランサムウェアの感染による被害が医療機関でも散見されるようになり, 利便性の向上に伴いリスク対策が同時に重要であることが露呈された. 我々臨床工学技士は時代が求める新しい技術に順応するために誕生した. 今こそ時代が求める医療DXとサイバーセキュリティー対策に, 対応すべきスキルを身に付けて社会に貢献すべきである.

当日は本課題に取り組む日臨工の姿勢と, 意欲的に取り組む会員への支援についてご説明したい.

自見 はなこ
参議院議員 地方創生担当大臣 沖縄北方担当大臣 万博大臣
臨床工学技士を支援する議員連盟事務局長

2018年5月に「臨床工学技士の資質向上を求める議員連盟」(現 臨床工学技士を支援する議員連盟)が発足して事務局長を拝命し, タスク・シフト/シェアや養成過程の充実などに取り組んできた. これまで計4回の総会と3回の役員会を重ね, 厚生労働大臣への要望活動などを行い, 2021年5月にタスクシフト・シェア等を盛り込んだ臨床工学技士法の改正が実現したほか, 2022年度診療報酬改定で集中治療室や重症患者搬送等での臨床工学技士配置に対する評価も新設されるなど, 大きな成果を上げることができた. また, 新型コロナワクチンの打ち手に臨床工学技士を追加することも厚生労働省に働きかけて実現できた.

本講演では, これまでの議員連盟の活動を振り返るとともに, 2021年の法改正によって開かれる展望について話したい. タスク・シフト/シェアの推進は, 「医師の働き方改革」と一体であり, 2024年度から医師の時間外労働の上限規制が罰則付き適用を控え, いかにして地域医療提供体制を守っていくのかが大きな課題である. 社会保障の医療提供体制を支える2年に一度の診療報酬改正が, 医療従事者や事務職をはじめとした皆の賃金やCTやMRIや人工呼吸器や人工透析器などの医療機器等, 全ての源泉であるが, その仕組みについても言及しつつ, 本講演が, 臨床工学技士の更なる活躍を推進し, 地域医療を守っていくため, 皆様とともにあるべき医療政策を探求する機会になれば望外の喜びである.

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