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一般演題
座長: 三浦 利恵(大分県立病院) 
森光 祐輔(新古賀病院)  

 

〇中山 創詞、桑野 結菜、宮本 脩平、古賀 大貴、宮川 彩、森光 祐輔
社会医療法人天神会 新古賀病院 臨床工学課

【はじめに】 2021年, 医師のタスクシフト・シェアが検討され, 臨床工学技士(以下, CE)の業務範囲が拡大した. 当院でも2021年12月よりCEのスコープオペレーター(以下, SO)業務を消化器外科(以下, 消外)と呼吸器外科(以下, 呼外)にて開始した. 今回はその取り組みについて報告する.  

【取り組み内容】 CE3名体制, 医師のOJTによりSO業務を開始した. 業務確立とCE増員を目指し, 各診療科や手術室運営会議でアナウンスを行い, SO依頼を積極的に受け入れた. 診療科カンファレンス参加による患者情報収集や手術内容の確認, 医師からのSOレクチャーや, 術中の医師指導内容を共有する取り組みも行った. SO業務後任教育は, 基礎学習や手洗い方法, 清潔手技の指導を行い, 手術映像の閲覧や練習模型によるカメラ操作習得を行った. 初期数例は指導者と共に担当し, 術後指導の後, 自立判定とした.  

【対象と目的】 2022年4月からの1年間で消外, 呼外の鏡視下手術を対象に, CEによるSO業務の実施状況を調査した.  

【結果】 CESO症例は, 消外460例中105例(研修医SO:140例), 呼外137例中91例(研修医SO:9例). SO合計時間は消外163.1時間(平均96.9分), 呼外132.2時間(平均87.2分). 術式内訳は, 消外では胆嚢摘出術が80.2%, 呼外では肺部分切除術が40.7%, 肺葉切除術が35.2%となった. SO業務CEは6名まで増員できた 

【考察】 消外では研修医SOが優先とされ, 並列症例の対応や医師不足時に依頼があり, 比較的短時間の胆嚢摘出術が多った. 呼外では医師の減員によりCEが多くの症例に介入できた. 一定の術式が多かったことから, SO手技取得となりCE増員に繋がった.  

【結語】 SO業務の導入により, 医師のタスクシフトが実現した. 今後はさらにSO実績増加させ, CEの能力向上に取り組む必要がある.  

○森田 裕貴、西尾 志遠、山本 遼平、寺本 貴明、内田 恭正 、甲斐 弘樹、西田 啓子、大塚 紹
医療法人シーエムエス 杉循環器科内科病院 

【背景】 医療用マットレス(マット)には硬さや材質, 厚さが異なるものが存在し, 必ずしも平面でないため, 蘇生板を胸部の下に敷くことが推察される. しかし, マットや蘇生板の種類や組み合わせを対象とした報告は見当たらない.  

【目的】 マットと蘇生板の組み合わせで使用した際の胸部圧迫(MCC)の有効性を評価すること.  

【対象】 実施者7人, マット5種類, 蘇生板3種類, 評価用蘇生モデル:CPR-1100(日本光電社製), CPRトレーニング用マネキン(高研社製) 

【方法】 マットの硬さを示すために, マットの中心部に分銅を置き, 沈む深さを計測した. ベッドにマットを敷き, マネキンを設置し, 金属性の指針をベッドに取り付け, MCC部分の真下に位置を合わせ, マットの変動幅を計測した. MCCCPRガイドラインに基づき, 1人あたり110回/分を1セット, 深さは35mm~50mmを規定値とし, 各マットと蘇生板の組み合わせで行った. 
評価①:各マットに蘇生版を敷かずにMCCを行った場合の変動幅の差を評価. 評価②:蘇生板なしと各蘇生板の変動幅に差があるかを評価. 評価③:評価①で一番変動幅が大きかったマットを対象とし, 各蘇生板3種類で変動幅を評価. (分析:多重比較検定 Steel-Dwass法) 

【結果】 有意差は認められなかったが, より柔らかいマットに変動幅は大きい傾向を示した. ②蘇生版の違いで有意差は認められなかったが, 蘇生板Bを使用した場合に変動幅は小さくなった. ③蘇生板なしと蘇生板Bに有意差があり, 蘇生板Bにより変動幅が小さくなった.  

【考察】 マットが柔らかい場合, 沈み込みが増え変動幅が大きくなると考えられた. 一方, 蘇生板Bは平で厚みがあり, 背面をしっかり支え変動幅が小さくなり, 変動幅の制御に効果的であると思われた.  

【結語】 マットの柔らかさや蘇生板の使用がCPR時の変動幅に影響を与えることが示唆された.

○清水 潔、福島 敏和、深井 靖大、岩橋 由紀子、柏原 光介
一般社団法人熊本市医師会 熊本地域医療センター 医療安全推進部

【はじめに】 チームの心理的安全性(以下”PS”)とは“チームの中で対人関係におけるリスクをとっても大丈夫だ, というチームメンバーに共有される信念”のことである(Edmondson,1999). 近年, 医療安全の推進のためのノンテクニカルスキルの要素として医療分野においてもその重要性が認識され始めた.  

【目的】 PSを測定することによる可視化を行い他院との比較および職種別, 部署別に分析検討し当院の実情を把握, 現状認識するとともに対策について検討を行うことである.  

【方法】 調査対象は当院で業務するすべての職員である. PSを測定する質問項目はEdmondsonが作成したPsychological Safety Scaleをバックトランスレーションを行い妥当性と信頼性が検討された日本語版をリッカート尺度による7件法にて質問票を作成した. 回収後, 構成比率, 平均度数, 肯定的回答割合を職種別, 部署別に算出し, 職種別, 部署別, 医療安全文化および他院との比較を行った.  

【結果】 配布総数444部, 回収総数414部(回収率93.2%), 有効回答数379部であった. PSの病院全体平均度数は4.6, 職種別では医療職で診療放射線技師が最高, 部署別PPRでは生理・生化学検査室が最高であった. PSの他院との比較ではほぼ近似しており, 医療安全文化との比較においては正の相関が観察された.  

【考察】 他施設との比較では有意差はないが, 院内の特定の職種, 部署間においては大きく差が認められる. また質問項目ごとにも一定の傾向・特徴が特異的に観察された. さらに心理的安全性と医療安全文化には相関があり, 特にPSが低いと「処罰のない対応」PPRが低かった. 当院の弱みを明確にでき問題点・要改善点を特定できたことで対策立案の検討材料を得ることにつながった.  

【まとめ】 PSの現状把握が可能であった. 職種ごと, 部署ごとに今後の対策が必要である.  

大石 杏衣1)、今田 寛人1)5)、渡邉 研人3)、西垣 孝行4)1)
1)Kiwi
2)広島赤十字・原爆病院 臨床工学課
3)JCHO東京山手メディカルセンター 臨床工学部
4)森ノ宮医療大学 保健技術学部 臨床工学科
5)森ノ宮医療大学 インクルーシブ医科学研究所

【背景】 輸液ポンプ(以下,輸液)やシリンジポンプ(以下,シリンジ)は身近に使用される汎用医療機器である. それらの適切な保有や運用は, 医療の効率化や安全面, 財政面でも重要となるが, 最適保有台数を算出する資料や基礎的データは存在しない.  

【目的】 輸液・シリンジの保有台数調査から, 実態および保有台数を規定する参考指標を明らかにしたので報告する.  

【方法】 2022年4月15日7月30日で, 協力を得た都道府県臨床工学技士会および関連団体会員施設へアンケートを送付した. 調査項目は保有台数, 使用基準, 稼働率の算出方法, 保有台数決定時の指標等とし, 解析ではDPCデータから病床数・化学療法件数・救急車搬送件数・全身麻酔手術件数・二次救急, 三次救急, 特定機能病院の有無の計7変数を用いて重回帰分析を行った.  

【結果】 1,030施設のうち319を解析対象とした. 1床あたりの平均保有台数は輸液が0.39台. シリンジが0.27台であった. 使用基準は薬剤, 流量, 時間が, 稼働率算出式は(貸出台数/保有台数)×100が多かった. 保有台数決定指標は, 稼働率, 医師からの要望等様々であった. 輸液の重回帰分析結果はR2=0.816であり, 有意に関連する独立変数は病床数, 化学療法件数, 救急車搬送件数および特定機能病院であった(p<0.001). シリンジはR2=0.844であり, 病床数, 救急車搬送件数, 特定機能病院(p<0.001), 2次救急病院, 3次救急病院(p<0.01), 全身麻酔手術件数(p<0.05)が有意に関連した 

【考察】 病床数増加に伴い, 保有台数も増加傾向が示された. 重回帰分析からも病床数は独立変数として有意な関連が示され, 保有台数に影響していることが示唆された. しかし, 稼働率の算出方法, 保有台数決定の指標等は統一されていない実態が明らかとなった. 更なる解析を進め, 客観的指標に基づいた医療機器管理の実現に向け検討を重ねたい. 

溝口 将平1)、植囿 航太1)、宮之下 誠3)、佐藤 妙子4)、蔡 榮鴻1)、塗木 徳人2)
1)独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター 臨床工学科
2)独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター 看護部
3)独立行政法人 国立病院機構 鹿児島医療センター 不整脈科

【はじめに】 遠隔モニタリングシステム(以下RMS)は, その有用性については多く報告されており, 日本不整脈心電学会でも標準的な管理手段としてRMSの導入が推奨されている. 今回, 右室(以下RV)リード脱落の疑いがRMSデータにより判明し, RVリード追加に至った症例を経験したので報告する.  

【症例】 73歳男性. 完全房室ブロックに対し当院でペースメーカ植込み術を施行. 使用デバイスはMedtronic社製Azure XT DR MRI, RVリードは同社製select secureを使用し心室中隔へ留置した. 植込み後1週間で退院, 8ヵ月にRMSを開始した.  

【経過】 設定はDDDモード, 基本レート60 bpm. 退院時のRV閾値は0.5 V, 抵抗値570 Ω, RV波高値は自己心拍未出現のため不明. RMS初回送信時, RV閾値は1.25 V, 抵抗値437 Ω, RV波高値6.8 mv. その後, 徐々にRV閾値の上昇, RV波高値の低下を認めた. また, 初回外来フォロー時にはデバイス本体の下方移動見られたが, リード先端位置に変化はなかったため経過観察となった. 植込みから2年後, 患者が徐脈を自覚するようになりふらつきや息切れの症状が出現. その2日後, 患者から当院に体調不良の連絡があり, RMSを確認するもアラート送信を認めなかったため手動送信をするよう指示. 手動送信の結果, RV閾値High, 抵抗値437 Ω, RV波高値2.5 mvであった. 送信時EGMはAとVのdelayは無く, ほぼ同じタイミングであった. また, 症状自覚時にAT/AF, Fast A&Vの不整脈エピソードを認めた. 以上の記録と今までの経過から, RVリード脱落の可能性が疑われたため, すぐに来院するよう連絡. 同日, 当院救急外来受診し胸部X線写真にてRVリードが脱落し, RA内にリード先端を認めたためRVリード追加目的に当院入院となった.  

【まとめ】 今回, RVリード脱落時のRMSの記録を経験した. RV閾値はHighであったが, 抵抗値, 波高値は正常範囲内であった. RVリードがRA内に移動した場合, AとVがほぼ同時に記録されたEGMと, リード同士の干渉によりAF様のエピソードが記録された 

〇名嘉眞 伶果, 尾長谷 亜実, 山田 貴美子, 佐野 可奈
社会医療法人天神会 野伏間クリニック 臨床工学課

【背景】 全国の臨床工学技士の過半数が従事する透析室では,患者の高齢化に伴う要介護認定者の増加によりベッドへの移乗介助を行う機会が増えてきた.福岡県では医療従事者の身体に負担のかかる作業を見直すために持ち上げや抱え上げ,引きずり等のケアを廃止し,福祉用具を積極的に使用するノーリフティングケアの普及促進事業を行っている.当法人でも移乗サポートロボットやスライディングボード等の福祉用具を使用してノーリフティングケアを推進している. 

【目的】 法人内の透析業務経験者を対象に移乗介助や腰痛に関してアンケートを実施した.今回は,その現状を報告するとともにノーリフティングケア普及活動を紹介する. 

【方法】 アンケート対象は当法人5医療機関の臨床工学技士と透析室の看護師・看護助手の計103名とした. 

【結果】 回収率89%(有効回答率100%).腰痛の有訴者率は55%で原因が業務であると回答したのは92%,うち移乗介助業務と限定したのは28%であった. 有訴率は業務歴や年齢で差はなかった.移乗用福祉用具の使用経験者は57%で今後の使用希望者は73%であった. 

【考察】 腰痛の有訴者は過半数を超え,その多くが原因は業務であると答えたことから早急な業務改善が必要である.現在は移乗福祉用具を導入する透析室もあり,導入により腰痛有訴者が減少することを期待したい.また,移乗用福祉用具の使用希望者は多く,ノーリフティングケアへの関心は高いと思われる.今後は福祉用具の使用増加が予想されるため,特に福祉ロボット等において臨床工学技士が保守・点検を行っていく必要がある. 

【まとめ】 臨床工学技士はノーリフティングケアの普及を促進し,福祉用具の管理を行っていくべきである. 

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