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CKD病診連携における腎性貧血治療の現状と課題 |
柴田 了
久留米大学医学部内科学講座腎臓内科部門 准教授
腎性貧血はCKDの進展に伴って高頻度に認められる合併症の一つであり, 体内のヘモグロビンの低下に見合った十分量のエリスロポエチン(EPO)が腎臓において産生されないことによって引き起こされる貧血である. 貧血状態では全身の臓器への酸素供給が低下し, 易疲労感や生活の質(QOL)の低下を招く. さらに貧血はCKDおよび心不全と密接に関連することが明らかとなり, 心腎貧血症候群の概念が提唱された. このような連関を早期に阻止すべく適切な治療介入が重要となる. 腎性貧血治療においては, 1990年以降, 赤血球造血刺激因子製剤(ESA)が普及したことで腎臓病患者のQOLは著しく向上し, 心血管合併症のリスク低減にも寄与してきた. その一方でESAは注射製剤であることに伴うコストや侵襲性の問題, ESA低反応性や高用量使用時の心血管合併症のリスクに対する懸念などの課題も残されていた. 2019年に低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬という新たな腎性貧血治療薬が登場し, ついにESA低反応性に対する有効な治療を得るに至った. HIF-PH阻害薬の登場により, とくにESA抵抗性を示す保存期CKD患者において投与される症例が増えてくることが予想され, 腎臓専門医とかかりつけ医の連携が益々重要となる. これまで久留米大学は行政と医師会と共に, CKD病診連携強化の取り組みを行ってきたが, 急速に進む高齢化で専門医を受診すること自体が困難になるケースも年々増えてきている. その一方でCKD診療は新たな治療薬によって益々充実してきており, これから専門医とかかりつけ医の新しい診療連携の仕組み作りが必要であると考える. コロナ禍によりデジタル化やリモート対応が進み, 医療の現場においてもデジタル化の波は着実に押し寄せてきている. CKD診療連携におけるデジタル活用について私見も含めて考えてみたい.
共催:協和キリン株式会社



