今さら聞けない敗血症性DICの基礎知識

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座長:鳩本 広樹(福岡大学病院)

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今さら聞けない敗血症性DICの基礎知識

石倉 宏恭
福岡大学医学部 救命救急医学講座

【はじめに】

敗血症とは感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされた状態であり, 約半数にDIC (Disseminated Intravascular Coagulation; 播種性血管内凝固症候群)を合併する. 敗血症患者の予後は今もなお不良であるが, DICを合併するとさらに悪化する. このため, 敗血症性DICは早期に認知し, 診断および治療を速やかに開始しなければ患者の転機は悪化する.

【敗血症性凝固異常の病態】

敗血症時のサイトカインストームは, 全身性の凝固・線溶異常を惹起する. 凝固・線溶異常の程度は基礎疾患によって様々であるが, 敗血症は(凝固優位)線溶抑制型DICの代表である. このため, 流血中に生じた微小血栓は融解せず, 末梢循環障害が生じて, 臓器障害を来す. つまり, 敗血症性DICは「臓器障害型のDIC」である.

【敗血症性DICの診断】

これまで, 主なDICの診断基準としては旧厚生省のDIC診断基準, 日本救急医学会の急性期DIC診断基準, 国際血栓止血学会のovert-DIC診断基準が存在したが, 新たに日本血栓止血学会からDIC診断基準 2017年版が公表された. このうち, 敗血症性DIC診断に適した基準はどの基準であるかを検討することは重要である. 今回, 当施設で実施した検討から敗血症性DIC診断に適した基準並びに, マーカーについて言及する.

【敗血症性DICの治療】

敗血症性DICの治療は凝固と炎症のクロストークを同時に制御することが求められる. この病態下においてThrombin(Th)の制御は重要である. Thは凝固系カスケードの要であると同時に, 血小板や血管内皮細胞上に発現しているプロテアーゼ活性化受容体(protease activated-receptor:PAR) に作用して, 炎症を亢進させる.

我が国のDIC治療薬としては遺伝子組み換えヒトトロンボモジュリン(rTM)製剤やATⅢ製剤が広く使用されている. 特に, rTMはHMGB1やHistone等のDamage-associated molecular pattern(DAMPs)に対する活性阻止や血管内皮細胞保護作用等, 多面的作用を持ち合わせ, 敗血症性DICの治療薬として期待されている.

【おわりに】

本講演では今さら聞けない敗血症性DICの病態, 診断, 治療を解説する.

共催:旭化成ファーマ株式会社

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