災害時におけるDIEMAS(緊急時透析マッピングシステム)の活用

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座長:小畠 勝司(福岡大学病院)

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災害時におけるDIEMAS
(緊急時透析マッピングシステム)の活用

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川﨑 路浩
神奈川工科大学 健康医療科学部 臨床工学科 助教

ICT(Information and Communication Technology)を利用した情報共有は,時系列でのデータ整理やデータの検索抽出に優れていることが特徴として挙げられる.災害時には多岐に渡る情報が飛び交うため,適切な支援,受援のためには情報の整理と必要な情報の共有が不可欠である.一刻を争う非常時に有効に情報を活用するためには平時における準備,体制の確立が必須と言われており,情報を探すためにかける必要以上の時間は社会の損失となるとも言われている.また,2017年に発行された「災害対応におけるSNS活用ガイドブック」においては,データや情報を平常時から1つの地理情報システム(GIS)上に集約し,重ね合わせて確認できるよう整備することを推奨するとされている.

収集した情報を分析する際,「どこで」,「何が」起こっているのかを推量する上で,信頼できる情報内容の充実が必要となり,例えば,事態を客観的に把握することができる情報として,「位置情報」や「時間情報」を内包していることが重要となる.

それらを踏まえて,平時から備えて災害時に有効活用をコンセプトとして,情報を可視化させることを主軸に置いた新たな情報共有システムとして,緊急時透析情報共有マッピングシステム(Dialysis Information in Emergency Mapping System:以下,DIEMAS)が構築された.2019年から運用を開始し,現在は1都6県で運用している.利用都県における施設の登録率は平均90%となっており,災害対策に大きく寄与している.

単に施設情報や被災有無が登録できるだけではなく,物資支援や人的支援の要請や供給を管理する機能,患者の安否情報確認機能,患者自身がアクセスできるマイページ機能など,透析医療に関わるすべての人が使える機能が含まれている.それらの機能を含め,DIEMASの基本的な内容について紹介す

水政 透
公立学校共済組合 九州中央病院 腎臓内科

透析の特殊性として, 災害時といえども治療の継続が必須で延期が困難であることが挙げられる. 特に血液透析では水道, 電気等のライフライン, 移動手段の確保等が重要で, さらに透析施設が被災した場合は復旧を迅速に行い, それが不能な場合は透析可能施設の検索, 斡旋, 患者の移送を行わなければならない.

福岡県透析医会災害対策委員会の活動は, 各透析施設の孤立を避ける手段を確立することを基本方針としている. 災害発生時に施設から情報収集を行い, その情報を各施設に提供する方法として日本透析医会災害時情報ネットワークホームページ(HP)を利用して行っているが, 2021年度から当会独自のHPを作成し併用を開始した. さらに, 福岡県庁主催の防災メール「まもるくん」を利用した「透析メール」システムを活用し情報提供を行っている. これは, あらかじメールアドレスを登録しておくと, 災害時に県庁防災課および当会から個別の災害情報等を受け取ることができるシステムで, 医師だけでなくスタッフや患者も登録が可能である.

透析機器の復旧も重要であり, 関連業者で構成される福岡県透析製品災害時供給連絡会との連携も行っている. ライフライン確保のための断水時給水マニュアル, 災害時規制外車両申請マニュアルの作成も行い, 最終的にこれらを統合した災害対策マニュアル作成を目指している.

2023年度より新たな情報収集手段として緊急時透析情報共有マッピングシステム(DIEMAS)を導入した. これは, あらかじめ施設登録を行い, 災害時には被災状況を各施設が入力することにより, 地図上に被災の有無, 依頼透析の必要性やその人数などが描出される. さらに, 依頼透析や支援スタッフのマッチング機能なども有している. 現在, 施設登録を順次行っている段階であり, 今後の災害時に大きな力となることを期待している.

共催:アルカディア・システムズ株式会社

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