テーマ:臨床工学技士として医療安全を考える
| 座長: | 後藤 陽次朗(戸畑リハビリテーション病院) |
| 本田 靖雅 (聖マリア病院) |
コメンテーター :
古賀和徳 産業医科大学 医療の質・安全管理部長 特任教員・教授
松田晋也 東京都済生会 向島病院 医療安全管理室 医療安全管理者
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PS8-1 もし医療機関のセーフティーマネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら
清水 潔
一般社団法人熊本市医師会 熊本地域医療センター セーフティーマネージャー
筆者は2012年から10年以上にわたり, 政令指定都市にある急性期の地域医療支援病院で, 専従のセーフティーマネージャーとして医療安全業務に従事してきた. 院内ではセーフティーマネージャーという職名が与えられているが, ほかにも一般的には「医療安全管理者」, 「医療安全推進者」, 「リスクマネージャー」, 「医療安全管理責任者」などの呼称が用いられ, 業務に費やす時間割合や範囲に応じて, 専従, 専任, 兼任, ゼネラル, 部門などと立場が区別されている.
注目すべきは, 多くのケースで「管理」やマネジメントを実践する「マネージャー」という言葉が含まれていることであり, このことについては強く興味と関心を寄せている. 英語の「Management」は直訳すると「管理」であるが, 経営学の文脈ではこれらは異なる概念として区分されている.
本講演では, 限られた時間の中ではあるが, 臨床工学技士が医療安全管理者としてどのような役割を果たし, または何を実行しなければならないのかについて, キーワードとして「医療」「安全」「管理」「マネジメント」を用いながら, 法令, ガイドライン, 学会の刊行物などの定義に照らし, その本質を明らかにすることを試みる. そのうえで筆者の考える医療安全管理者の役割について私見を述べ, さらに具体的な実践事例を紹介し, 専従医療安全管理者としての関与を示す.
本講演が医療安全に関心を持つ方や, 今後医療安全に関わる予定の方々に加えて, 既に医療安全に従事している方々に対しても, 医療の品質向上と患者安全の向上に向けたヒントとなれば医療安全管理者として望外の喜びである.
結びに代えて:「甲子園ではどんな野球をしたいですか?」あなたが野球部のキャプテンだったら, もしくはマネージャーだったとしたらこの問いにどう答えますか?
―基本と原則に反するものは, 例外なく破綻する(P.F.ドラッカー)
PS8-2 臨床工学技士における医療安全の関り ~RRSや電波管理~
灘吉 進也
社会医療法人共愛会 戸畑共立病院 臨床工学科 科長
戸畑共立病院は, 診療科35科, 病床数218床の専門型急性期病院である. 臨床工学技士は21名在籍し, 医療機器管理のほか高気圧酸素治療, 手術室, 人工透析, 内視鏡などの業務を行っている.
我々の医療安全の関りは, 1999年大学病院で発生した患者取り違え事故を契機とした全国的な医療安全の関心の高まりからはじまる. 当院は2000年に医療安全管理委員会を発足. 2007年第5次医療法改正で医療機器の安全管理が義務化され医療機器安全管理責任者に就任. 2014年適正なモニタアラーム管理を推進するチームMonitor Alarm Control Team:MACTを発足. 2017年に電波環境協議会より電波の安全利用規程(例)が策定されたことから, 電波利用安全管理委員会を発足. 2022年診療報酬改定にて急性期充実体制加算が新設され院内迅速対応チームの設置が義務化されことからRapid Response Team:RRTを設置.
当院の医療安全管理体制として, 医療安全部 医療安全管理室は院長直属の組織であり, 私は臨床工学科管理者兼, 医療機器安全管理責任者として所属している. また, 医療安全管理委員会の下部組織として電波管理委員会, 透析機器安全管理委員会, 医療ガス安全管理委員会を設置している. さらにRRS運営WGを設置し, その中でMACT, Respiratory-care Support-Team:RST, 一次救命処置研修会などの運営も兼ね, これらの業務を統括している.
チーム医療が謳われて久しいが, 専門性の向上も相まって, その自覚や社会的責任が向上した印象を受ける. 医療安全においてはコミュニケーション能力や職種間の相互理解, 問題解決能力など, いわゆるノンテクニカルスキルが重要視される. 本会においては臨床工学として, いまだ対応が不十分と考えられる電波の安全管理やRRS運営について多職種横断型の活動を報告する.
PS8-3 臨床工学技士、医療機器安全管理責任者としての医療安全活動
高橋 一久
産業医科大学 臨床工学部 技師長
私は臨床工学部において各部門の臨床業務や医療機器の管理を行い, 医療の質・安全管理部において医療機器安全管理責任者として日々業務を行っている. その業務内容について以下に述べる.
医療機器の定期点検計画の作成・実施状況の把握,医療機器の故障時のトラブル対応,安全使用のための研修実施と把握,医療機器に係る情報の収集を行い各種委員会や部門への情報の共有等を行う.
院内においてアクシデント事例発生時には, データ保全を行い必要と判断した場合には院内への情報共有の他,PMDAへの報告を行う. その他,高難度新規医療技術や未承認医療技術の審査,厚生局や保健所の立ち入り検査の対応や日本医療機能評価機構の認定更新の際の対応を行う.
対外的な活動として,私立医科大学の相互ラウンド, 福岡県内の四大学での医療安全監査委員会等の活動に参加している.
今回のセッションでは上記の当院の医療安全活動についての説明をさせて頂きディスカッションを行い, 皆様の施設での今後の医療安全活動の一助になればと考える.



