一般演題 7 血液浄化2

一般演題
座長: 古賀 幸雄(前田病院)
永瀬 啓一郎(熊本泌尿域科病院)

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○竹田 誠、高橋 勇樹、柏木 悠里、川波 秀次、福島 克也、髙橋 誠一郎
公益財団法人健和会 健和会大手町病院 臨床工学部

【はじめに】 近年電子カルテの普及や医療機器管理等に専用の管理システムが導入されるなど医療現場でIT化が進んでいる. 当院では, 新病院移転時にニプロ社製透析情報管理システムDiaCom®iPを, 新しく導入した. 導入前後の状況を報告する.  

【目的・方法】 2022年3月2日移転に向けて, 透析関連装置は全てニプロ社製で統一され, 移転後に透析情報管理システム, ニプロ社製DiaCom®iPの導入とベッド不足により4床の増設が予定されていた. 導入目的を透析業務の安全性向上・効率化とし, 2021年5月より協議を続け, 目標として以下を設定した. 
・紙媒体の透析経過記録の廃止
・透析室業務の省力化
・効率化

・体重測定
・透析条件自動入力化によるヒューマンエラー防止
・細やかな患者情報管理
また, DiaCom®iP導入による業務変更に多くのスタッフが不安を示したため, 実際の端末を使用してテスト運用を行いDiaCom®iPの操作, 記録, 管理方法に慣れてもらうと同時に疑問点などを随時出してもらい, 当院の使用方法にカスタマイズすることにした.  

【結果】 新病院移転を機に4床の増床を行ったが, 透析経過記録の紙運用廃止や, バイタルサイン・透析装置情報を自動取り込みする等の業務効率化によりスタッフの増員を行うことなく対応することができた. また, 体重計と透析装置の連携により体重の記録用紙への転記ミスの削減や, 患者管理情報をDiaCom®iPに登録することでモニターやベッドサイド端末で透析装置の情報が一括表示できるため, 安全性も向上した. 業務の効率化により生まれた時間は患者ケアや透析効率のデータ管理などに充てている. またDiaCom®iPで作成された透析効率等の情報を患者へ提供し, 患者指導にも活用されている.  

【今後の展望】 DiaCom®iPの導入で, 業務の効率化は達成できた. DiaCom®iP の操作習得は個人差が大きく, 業務の効率化を実感できないスタッフも多い. 業務内容を省力化できた所と, 出来ていない所を整理し効率化を実感できるよう業務手順に取り組む必要がある.

○神代 蛍太1)、福本 恵理香1)、福田 美鈴1)、池田 智哉4)、木村 聖1)、阿部 誠2)、堤 善充3)、空閑 美智子2)、東 治道1)3
1)社会医療法人雪の聖母会 聖マリア病院 臨床工学室
2)社会医療法人雪の聖母会 聖マリア病院 臨床工学室
3)社会医療法人雪の聖母会 聖マリア病院 腎臓内科
4)社会医療法人雪の聖母会 聖マリアヘルスケアセンター 臨床工学室

【はじめに】 血液透析治療は複雑で侵襲的な治療を, 集団で, 多職種が長時間行うことから, 医療事故(インシデント)のリスクが非常に高い. 近年, 技術の進歩に伴い装置やシステムが開発され, 安全機能が充実しているがインシデントの発生リスクは常在している. 当院ではインシデントが発生した際に報告を行い, 対策を講じているが類似したインシデントが発生している. よって, 透析室のインシデントを調査することで未然に防止する手掛かりになると考えられる.  

【目的】 透析室で発生したインシデントを可視化することで, 今後の発生件数が減少する助力となることを目的とする.  

【方法】 対象は2019年から2022年までの4年間にインシデント管理システム(ファントルくん)に報告された透析室のインシデント107件とした. 松井らによる報告を基に, 透析室の業務を, ①プライミング, ②開始時, ③透析中, ④回収, ⑤指示関係, ⑥院内感染, ⑦その他の7項目の大分類とし, 各項目の詳細な業務を中分類とした. さらに, 各インシデントを発生日時, 当事者職種, 経験(配属)年数, 発生時間帯, 曜日, レベル, 種類の7項目に分類し, インシデント事例の傾向を調査した.  

【結果】 インシデント報告件数は2019年26件, 2020年40件, 2021年13件, 202228件であった. 4年間で大分類は⑤指示関係, ②開始時, ③透析中が全体の約81%を占めた. また, 経験(配属)年数は1年未満のインシデント発生件数が多かった.  

【考察】 4年間で⑤指示関連の薬剤に関するインシデントが多く, 一要因として繁忙時期や休憩等による人手減少が考えられる. また, 指示の伝達ミスや見落としが原因で発生しているインシデントが増加しており, 現行の対策が有効ではない可能性が示唆されるため, 今後の課題と捉えている. 今回の分析を参考にし, 部署へフィードバックすることで医療安全の質の向上に取り組みたいと考える.  

○大見 綾花1)、池田 大輝1)、横山 嘉寛2)、岩元 公希2)、岡村 龍也1)、長浜 隆久3)、大木 龍一4)、酒井 亮1)、池末 俊一1)、川原 涼1、萩原 幹樹1、山下 佳菜子1、畠山 海11、田代 楓香1、有村 智華1、松浦 朝代22、白石 幸三1
1)社会医療法人白光会 白石病院
2)社会医療法人白光会 白石記念クニック
3)社会医療法人白光会 加治木中央クリニック
4)医療法人貴幸会 SKメディカルクリニック

【目的】 近年, 透析患者の高齢化・長期化に伴う透析困難症例が増加する可能性が考えられる. 特に心不全や糖尿病等の基礎疾患を持つ患者の透析中循環動態は不安定であり, モニタリング機器が必要不可欠である. その中で透析中循環動態モニタリング, DW設定指標としてブラッドボリューム計(以下BV計)が活用されている. 今回, JMS社製クリットラインモニタ(以下CLM)とニプロ社製ブラッドモニタリングセンサ(以下BMS), 日機装社製BV計の有用性について検討を行った.  

【方法】 CLMをもとに, BMSと日機装社製BV計をそれぞれ同時測定し, 循環血液量変化率, 体重増加率, 除水量別での比較を行った. 透析条件はHDとし, 透析時間は4時間とした.  

【結果】 CLMBMS, 日機装社製BV計は相関性を認めた. しかし, 脱血不良や体動のある方の測定値は, 前者のような相関性は認められなかった.  

【考察】 CLMBMS, 日機装社製BV計では, センサーの形状や受光方法の違いによる差はあるものの, BV計は透析中循環血液量モニタリングに有効であると考えた. 脱血不良があり測定値がばらつく方は, 穿刺針のサイズアップ, 穿刺部変更, VAIVTの必要性などを考慮するきっかけになると考えられる.  

【結語】 各社BV計は透析中循環動態モニタリング, DW設定指標において有用性が示唆された.  

 ○田中 亜実、山内 雄斗、岐本 成海、福田 琴乃、羽田野 修介、桑野 恵歌、植木 悠太 、森山 菜々美、福田 龍太、益田 温美、森田 晃平、谷口 一俊、上原 かをる、前田 博司
社会医療法人財団白十字会 佐世保中央病院 臨床工学部 

【はじめに】 当院では, 2017年よりニプロ社製透析用監視装置NCV-3(コンソール), 透析液供給装置NCS-V(セントラル)を使用している. 導入から2022年までにセントラルが影響を受けた瞬時停電が3件発生した. 1回目の瞬時停電では, 以前のシステムと同様の対応方法で大丈夫だと試算していたが, 透析再開まで約40分の時間を要してしまった. そこで, システムの見直しを行い, 早期復旧を目指し対策を講じたので報告する.  

【事象】 瞬時停電発生直後, セントラルのタンク内でミキシング途中の透析液は安全機構により強制排液され, 全コンソールはECUM自動切換設定としていた. ミキシングを再開し濃度確認後, 直ちに送液を行ってしまい, 全コンソールが自動復旧し, 透析再開した. しかし, 透析液需要量に対して, セントラルからの透析液供給量が下回った為, 透析再開までに時間を要した.  

【対策】 全コンソールで使用する透析液の必要量を算出した結果, 強制排液直後に治療再開しても全コンソールの必要量を満たしていなかった. その為, タンク内の透析液作製と送液の相対性が崩れたことにより, 稼働しているコンソール全体に対して透析液の供給が不十分になったと考え, コンソールは, 給液復旧時の運転モード復帰をしない設定に変更した. 従ってセントラルが復旧した直後もECUMでの運転が継続される. その際, セントラルでは透析液を作製し, 透析液が必要量作製され, 供給が可能となった時点でコンソールを手動で元の運転モードに戻し治療を再開することとした. そのことにより, 早期復旧が可能となった. また, 透析室全体で情報と対策の共有を行った.  

【結語】 今回の経験から1回目の瞬時停電で40分かかった原因を追求し, 対策を考え全体に共有したことにより, 2回目以降は13分に短縮する事ができた. 今後の課題として, 既存マニュアルを改訂し, トラブルシューティングを定期的に行い, より安定した透析治療の提供に繋げたいと考える.

○岐本 成海、山内 雄斗、田中 亜実、福田 琴乃、羽田野 修介、桑野 恵歌、植木 悠太、森山 菜々美、福田 龍太、益田 温美、森田 晃平、谷口 一俊、上原 かをる、前田 博司
社会医療法人財団白十字会 佐世保中央病院 臨床工学部 

【背景】 ニプロ社製個人用透析装置NCV-10の洗浄中に給水停止警報が報知された. 原因は白濁した粘性のある物体が装置内部のGVSフィルタとシリコーンホース配管内部表面への付着によるものだった. 給水停止警報報知日から現在までの経過を報告する.  

【対応】 NCV-10の洗浄中に給水停止警報が報知された. GVSフィルタに粘性体を確認した為, GVSフィルタを交換した. また, ホース配管にも付着しているのではないかと考えられたのでホース配管の一部を切り取ると内面に粘性体が付着していた. 従って給水管全体を洗浄するために不織布にて出口を覆い30分濾し取り作業を行った. 粘性体が付着したGVSフィルタをメーカーへ調査依頼することとした. 同様にICUに設置してあるホース配管も不織布で濾し取って確認した. その後, 消毒プログラム変更を行い, 10日間連続で粘性体の有無を目視にて確認した. また, さらに警報報知日から1ヶ月毎にGVSフィルタへの付着の確認を行うこととした.  

【結果】 消毒プログラム変更後から現在までGVSフィルタには粘性体は確認されていない. 調査結果として, 物質自体の成分特定には至らなかったが菌は確認されなかった.  

【考察】 シリコーンホース配管には粘性体は確認できなかった為, 埋没されている塩化ビニル配管部に発生源があるのではないかと考えられた. 粘性体の詳細については現状不確定だが菌である可能性もあり, 洗浄方法の変更により再発しないか観察を続ける必要がある. GVSフィルタの目詰まりは給水供給の停止による治療中断が考えられるため, 再発防止策を考えていく必要がある.  

【結語】 現在, 洗浄プログラム変更を実施することで粘性体の発生は見られないが, 1ヶ月毎の観察は継続している. また, 施設の老朽化に伴う配管の入替を検討しているがコストおよび構造上の問題により1年に1回の薬剤における配管洗浄を行う方針としたが, 効果の経過観察は継続していく必要があると考える.  

本田 綾1)、荒巻 瑞稀1)、西牟田 舜1)、河津 成就1)、今井 徹朗1)、山香 修1)、杉原 学1)、柴田 了2)、深水 圭2)
1)久留米大学病院 臨床工学センター
2)久留米大学医学部 内科学講座 腎臓内科部門

【背景】 透析医療において安全かつ清浄な透析液を提供する必要性は周知の事実 であり, 我国で透析療法を行う上で必須の条件となっている. 今回, 透析装置の入れ替えに伴い, 全台OHDF対応の透析装置となり, 更なる清浄化が必要となった.  

【目的】 当院の透析液清浄化管理を振り返り,  RO装置タンク後および末端透析装置におけるETRF前に, エンドトキシン(ET)・細菌の検出が認められたため, これらの問題点について検討を行うことにした. 
2016年版透析液水質基準に基づいた当施設での透析液清浄化の管理方法を振り返り, 恒常的な清浄化の達成を目的とした.  

【方法】 透析装置入れ替えに伴うバリデーション, RO装置の熱水消毒導入も含め管理方法を振り返った
2015年4月から2023年6月までの, RO装置タンク後および末端透析装置におけるETRF前のET, 生菌検査の結果を後ろ向きに検討した. 測定方法は, ETは比濁時間分析法にて測定し生菌はメンブレンフィルター法にて測定した.  

【結果】 2015年度にRO装置のタンク内, コンソールETRF前にややET, 生菌が検出されたが, 熱水消毒導入やサンプリングポートの交換などの対策によって2016年後半年以降は検出されておらず, 日本透析医学会の透析液水質基準2016の基準を満たしていた.  

【考察】 結果より, 熱水消毒導入後から現在まで, RO装置タンク後のET・生菌ともに検出されなかった. このことから熱水消毒は, 水質管理をする上で有用であると考える. ET・生菌の発生原因について対策を行うことで, 検出されなかった箇所に関しては, 測定頻度を少なくでき, コスト削減にもつながったと考える.  

【結語】 ET・生菌の結果を後ろ向きに振り返り, 水質管理計画や管理基準に基づき水質清浄化を行うことで, よりよい水質管理ができると考えている.  

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