| 座長: | 伊佐 英倫(中頭病院) |
| 佐野 茂(久留米大学病院) |
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O8-1 WebMarisを用いた看護師による日常点検を開始して
○古川 拓哉, 中村 和樹, 川波 秀次, 高橋 誠一郎
公益財団法人健和会 健和会大手町病院
【背景及び目的】医療機器の日常点検は安全な医療を提供するうえで重要な事項である. 従来, 臨床工学部門では安全点検システム『MARIS2』(フクダ電子社製)をローカルに用い医療機器管理を行っていたが, 輸液/シリンジポンプの日常点検は看護師が紙媒体で使用中点検を行い電子カルテにスキャンする方法をとっていた. この方法では記入漏れやスキャン忘れなどの問題のほかに点検結果が『MARIS2』へ反映せず患者と使用機器の追跡が困難であった. 今回, 『MARIS V4』へ更新する機会を得た際, 『WebMaris』の機能を用いることでこれらの問題が解消できるのではと考え, 導入に至ったのでここに報告する. 当機能の導入により機器点検情報の一元化, 患者と使用機器のリンク, ペーパーレス化や看護業務の省力化が期待できる.
【導入方法】看護部と共に点検内容の項目を検討した. また, 各病棟へ導入学習会を行った. 対象部署はICU/HCU, 救急病棟を除く9病棟とし1日3回の点検を行う. また, 点検が実際に行われているかの評価として使用中点検率の算出を行った.
【結果】ポンプ類の日常点検と定期点検『MARIS V4』で一元管理を行うことができ, 患者と使用機器のリンクが可能になった. またペーパーレス化, スキャン業務廃止など看護業務の省力化に貢献できた. 一方で使用中点検率は導入から12か月間平均で49.8±6.5%となった.
【考察】導入時の点検使用率は63.6%であったがその後は徐々に低下した. 原因として『WebMaris』を用いた点検が定着していないことや日常点検の必要性を理解していない看護師がいるのではないかと考えた. したがって, 点検の重要性の伝達を行うとともにニュース発行やマニュアルの電子カルテ掲載などを行い周知に努めた. その後, 使用中点検率は上昇傾向となった.
【結語】『WebMaris』の導入により点検結果の一元管理や使用患者とのリンクが可能になった. 同時に看護業務の省力化が行えた. 一方で使用中点検率の向上が今後の課題となった.
O8-2 医療機器管理ソフトを用いた一元管理による業務改善の効果及び課題について
松本 倫太朗
熊本赤十字病院 臨床工学部
【緒言】当院は医療機器管理業務を2005年より紙媒体を基にFileMakerと併用し15年ほど運用してきたが, 病院機能評価を受審した際に指摘を受けゼロシステム(株)社製のZERO MEを導入した. しかし導入から3年余り経つも完全にペーパーレス化は実現できずFileMakerと紙の複数運用になっていたため導入前より業務が煩雑になった. 今回そのような経緯から本格的にペーパーレスを進めることとなった.
【過去〜現在】以前は, FileMakerを使用して機器管理を行なっており, 中央機器の貸し出しについては, 紙媒体で運用を行なっていた. ZREO MEの導入後も, エンドユーザー側でのカスタム性の良さから紙媒体の運用と併用していたが, 本年度に入り急速にペーパーレス化を実施する方針となった.
【改善例・課題】機器の中央貸し出しに関して, 機器の個別管理バーコード管理を読み取ることで, 貸出・返却がスムーズになった. 紙媒体に記載をしている際には, どちらか一方の貸出・返却処理を行なわれていることがあり, 在庫数が合わないことがあった.
紙媒体の運用をやめ ZERO ME で医療機器を一元管理することで, 入力に要する時間の削減のみならずデータの不一致等が起こることが無いため管理上の問題もなくなると考える. また, タブレット端末でも使用できるため, 呼吸器ラウンドにおけるペーパーレス化も行えている.
今後, ZERO ME から電子カルテへのデータ同期や, システムを熟知する人材を増やすことが課題である.
【結語】二元管理していたものを一元管理することで時間の削減やミスを減らすことが出来るのは, 業務改善のみならず医療機器の管理という点においても大きな影響を与える. 今ある課題点からもすべてをZERO MEに移行するのではなくFileMakerを使用しお互いの弱点を補完しあうような運用を行い, 今後もこのような視点から業務に携わり病院に貢献したいと考える.
O8-3 当院における生体情報モニタ管理の現状~コロナ禍からアフターコロナへの遷移~
○中島 翔也、近澤 啓介、中尾 恭平、工藤 裕之、吉原 大貴、東 真悟、神田 要二郎 、野本 修、鹿田 加奈子、今村 亮太
公立八女総合病院 臨床工学科
【はじめに】当院では現在, 生体情報モニタとしてベッドサイドモニタ(以下BSM)66台, テレメータ(以下TM)83台を保有しており, 院内に配置している生体情報モニタは全台臨床工学科が管理している. 2020年より新型コロナウイルス(以下コロナ)の感染が拡大し, 当院臨床工学科はコロナ禍に対応し, 医療機器管理業務を実施してきた. 今回, コロナ前, コロナ禍, アフターコロナそれぞれの時期に対する当院の生体情報モニタ管理方法について報告する.
【現状】当院は, 病床数300床(7病棟)の中規模病院である. コロナが拡大する前年の2019年に生態情報モニタのチャンネル混信等によるインシデント防止のため, 業務改善を目的としたTQM活動の一環としてBSM, TM管理方法の見直しを行った. しかし, コロナの感染拡大に伴い, コロナ専用病棟を設けるための病棟編成や院内クラスターの影響で, 前年取り決めた方法での生態情報モニタ管理に難渋した. その中でも異なる病棟間でチャンネルの重複が起こらないよう新たな対策を講じ管理にあたっていた. その後, 2023年にコロナが5類感染症になったため, 再度BSM, TM台数の整理と運用方法について見直した.
【まとめ】最初に対策を立ててコロナ流行まで期間が短く, コロナ初期は混乱があったが新たな対策を立てることでより良い管理方法を確立することができた. また, コロナを経験したことでいつでも感染症に対応できる管理方法を整えておくことが重要であることを実感した.
【結語】モニタ管理は些細なことだが重大インシデントに繋がる可能性もあるため, とても重要な業務である. また, 今後いつ新興感染症のパンデミックが発生するか分からない. そのため今回のコロナで得た経験を生かして日頃のモニタ管理に加えて, 感染症が発生しても迅速に対応できる体制を維持していきたい.
O8-4 輸液ポンプ一斉更新後のインシデントと対策
○大木場 雄大、冨迫 祐作、野上 将弘、吉元 健、斎之平 翔太、宮原 有利佳、斎藤 謙一
公益財団法人昭和会 いまきいれ総合病院 診療支援部門 臨床工学課
【はじめに】当院で使用しているA社輸液ポンプ129台は購入後10年以上経過のため, 一斉更新を実施した. 輸液ポンプ更新に至るまでの流れと更新後のインシデントおよび対策について報告する.
【選定と導入】A・B・C社の流量制御方式輸液ポンプから比較検討を行った. HCU看護師とCEに各1週間デモを行い, アンケート結果を参考に購入委員会で審議し, B社の輸液ポンプを140台導入することに決定した. B社アンケート結果ではタッチパネルによる直感的操作や本体の軽さが良い点として挙げられ, 購入委員会では専用輸液回路価格の大幅な削減が期待された. 尚, 輸血および化学療法においては専用回路の状況や使用方法を鑑み旧来の輸液ポンプを専用ポンプとして継続使用することにした. 導入にあたり輸液ポンプおよび専用回路変更について院内メールにて告知し, 全看護師に研修を行った. 全看護師の受講を確認後一斉導入した.
【導入後発生したインシデントと対応対策】「輸液開始後すぐアラームが鳴り開始できない」3件. 原因は滴落検知器に関することであったため滴落検知器の原理, 取扱方法の再指導を行った. 「専用回路の誤りによる薬液過剰投与」2件. 対策としては輸液ポンプに旧式回路使用禁止のラベリングを行い都度看護師に向け院内メールにて情報提供を行った. その他, バッテリ初期不良1件, 転倒などによる本体および架台の破損が2件発生, また当院では全てのポンプにショックセンサを貼付しているが, 使用前点検でセンサの赤変発見が5件発生した. 初期不良および破損についてはメーカーと対応を協議中, ショックセンサ赤変事例においては原因について調査中である.
【結語】輸液ポンプ入替に伴い研修を実施した上で導入を行った. しかし, 研修時に強調し説明した滴落検知器の取扱やポンプ専用回路の変更についてインシデントが発生したことから, 研修の実施だけでなく受講者が本当に理解しているか確認が必要であったと考える.
O8-5 輸液ポンプの段階的更新を行った経験を終えて
○豊村 洸弥、田端 一樹、石原 康平、林 誠
長崎大学病院 ME機器センター
【背景】 当院では2018年度までTOP-2300, TOP-3300, TE-161Sの合計550台保有していたが, 5年計画にて安全性向上を目的に滴下制御型輸液ポンプから流量制御型輸液ポンプへの更新を行うこととなった.
【方法】 5年での更新となること, 輸液セットも変更となることを考慮し, 部署ごとに段階的に更新を行うこととした. また, 研修会においても新規導入医療機器を使用する可能性のあるスタッフ全員の履修が必要となるため各部署で研修会を実施した. また輸液ポンプが併用される数年間でのトラブル防止のため看護部・安全管理部と協議を重ね, 導入方法や運用を検討した.
【結果】 今回の更新はまず部署ごとに分けて行った後に全病棟の更新を行った. この際輸液ポンプの変更に伴い, 輸液セットも変更したため, 更新する機器のみならず, 輸液セットも旧型用のものと新型用のものの二つの輸液セットが混在した状態になった. したがって, 部署所属のスタッフにむけた運用方法の周知や新規導入機器の教育を行う必要があった. それにより, 初期研修対象者が全病院の看護師となったが参加率の低さが問題となったためe-ラーニングにて対応を行った. その結果, 対象者全員の受講が完了したため導入が可能となった.
【考察】 今回の更新は段階的に行ったため, 変更前の輸液セットのロスなく消費できた. また, 各部署にヒアリングを行ったことで導入をスムーズに行うことができた反面, 新たな問題を発見し都度, 対応が必要となった. そして, なにより今回の更新では看護部をはじめとする多職種間での協力のおかげで, 問題なく今回の更新を行うことができた.
【結語】 今回のことから, 医療機器の更新を行う際は円滑な更新を行うために医療スタッフ同士が協力する必要があると感じた.
O8-6 鼻翼SpO2センサを用いたモニタリングの有用性
○本田 浩一、川崎 徹也、藤本 照久、矢野 宏貴、矢野 元基、馬場 伸高
国立病院機構 別府医療センター MEセンター
【目的】 血液透析中に生じる血圧低下の多くの原因は, 過剰除水による循環血液量の減少であり, その対策として, 血液量モニタによる除水コントロールが多用されている. しかし, 機器自体が高額であることに加え, 基本的に透析装置本体への内臓設置である観点から, 患者の治療場所が限定される. そこで, 我々は, PHILIPS社製のNasal Alar SpO2 Sensor ®におけるPref値(循環血液量)を計測・管理することにより, 透析中の血圧低下予防に有用か否かをretrospectiveに検討したので報告する.
【方法】 無作為に選別した透析患者を対象とし, 透析施行中におけるPref値とNIKKISO社製血液量モニタBV計におけるΔBV%値との相関関係を検討した. Pref値は15分間隔の中央値とした.
【結果と考察】 Pref値は全症例において安定した計測が得られ, ΔBV%値との相関性も確認されたことから, 透析中の灌流表示値として有用と示唆された. また, 脱血不良や輸血時にはBV計では循環血液量の評価が困難となるが, Pref値ではそのような外的影響を受けず継続した観察が可能であった.
【結語】 Nasal Alar SpO2 Sensor ®におけるPref値は, 透析中の患者の循環動態を把握するパラメータとして有用であると考えられた. また, BV計にて評価困難となる場合においても, Pref値による代用が可能であると考えられる. しかし, ΔBV%値に比べ瞬時値の振れ幅が大きいことから, 計測間隔への検討に加え, グラフ化等による表示法の工夫に課題が残り, モニタとしての改善点も示唆された.
O8-7 当院における在宅人工呼吸器の管理
○島田 航輔、殿川 雅美、猪野 和幸、石原 康平、林 誠
長崎大学病院 ME機器センター
【はじめに】 在宅人工呼吸器療法は, 患者の生命予後の改善や生活の質の改善に大いに役立つものと考えられている. 患者の生命予後に関わる在宅人工呼吸器を安全に使用するために人工呼吸器と同等な保守管理を行う必要がある.
2021年より当院に入院してきた在宅人工呼吸器装着患者の把握と使用中点検, トラブル対応等を行うこととなった.
【目的】 在宅人工呼吸器装着患者の入院有無の把握, 人工呼吸器等の生命維持管理装置の電源確保を確実なものとし機器の動作確認を行う. また現場での誤設定及び取り扱いミスを防ぐ.
【方法】 当院で作成した在宅人工呼吸器連絡票を用いて病棟とME機器センター間での情報共有システムを構築した. 情報共有システムから患者情報を把握し, 使用中点検を実施した. また, 様々な在宅人工呼吸器に対応するために勉強会の開催やeーラーニングなどの動画研修プログラムの構築を行った.
【結果】 情報共有システムを構築することで, ME機器センター, 病棟との連携が図れ, 在宅人工呼吸器装着患者の管理漏れが防げる. また, 使用中点検を行うことで安全に患者が在宅人工呼吸器を使用できている. さらに在宅人工呼吸器の勉強会などを開催することで関わりのあるスタッフも安全に在宅人工呼吸器の使用中点検の実施ができ, トラブル対応を行うことができている.
【結論】 これからも, 患者が安全に在宅人工呼吸器を使用できトラブル等にも早期に対応できるような環境づくりを構築していきたいと考えている.
当院での在宅人工呼吸器装着患者の把握と使用中点検を導入するまでの方法について報告する.



