| 座長 | 小柳 亮(長崎原爆病院) |
| 濱口 真和(熊本赤十字病院) |
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PS1-1 臨床工学技士の新たな働き方を考える~Yボード世代の生き方~
中原 三佐誉
医療人緑泉会 米盛病院 CE 課
2021年10月1日の医療法改正に伴い臨床工学技士法の一部が改正され, 臨床工学技士は新たに6つの業務(法律5, 政令1)が認められた. 今後, 病院での臨床工学技士への期待はますます高まっていくと考えられる. その一方で, 世間では人生100年時代やAIによる職の減少など, 1つの職業を一生涯続けることに捕らわれない生き方があるのも事実であり, これまでの病院で働く臨床工学技士とは違う視点で働く臨床工学技士としての生き方も我々, Yボード世代は知っておく必要があると考える.
今回のYボードセッションでは, そういった新たな働き方についてご教授いただき, 今後の臨床工学技士としての働き方を広い視野で模索していきたい.
PS1-2 医学博士を取得するに至った個人的経験
岡留 由祐
1)熊本赤十字病院 臨床工学部
2)熊本大学大学院 生命科学研究部 分子遺伝学講座
現代社会においてリスキリング(Reskilling)やリカレント(Recurrent)など生涯にわたる学習とスキルの継続的な更新が望まれている。我々臨床工学技士においても卒後の生涯学習・キャリア形成は大きな課題のひとつである。
私は臨床工学技士しての経験と知識をより深め、医学領域での専門性を高めたいという強い動機から、人間総合科学大学に編入しその後、独立行政法人大学評価・学位授与機構での学位取得を経て、熊本大学大学院に進学し医学博士を取得することができた。社会人として働きながら大学編入・大学院進学を決断した当時、情報も少なく先の見通しがたたない状況であった。また当院においても大学院進学者は初めてであり、熊本大学大学院 医学教育部においても現役の臨床工学技士が進学してくることは初めてのケースであったため、臨床での働き方や研究室で研究・実験をする時間など様々な課題があったが一つずつ解決しながら進んだ。
大学院在学中は、医学講義はもちろんのこと、自分の研究テーマに対して倫理委員会への研究許可申請やデータ収集・統計解析、その解析結果に対し可能な限りの情報を集め、多角的な視点から検討を重ね論文化するという研究の苦労や面白さを実感することができた。また、臨床面においても作用機序や作用条件などを意識して業務にあたろうと診療への意識が変わった。その他にも在学中は複数の共同研究に参加する機会を与えて頂き、先進的な医療技術・研究手法を学ぶ機会を得ることができた。大学院での研究活動を通して、医学や科学は日々進歩しており、新しい解析方法や研究結果が出てきていることを実感した。私も微力ではあるが今後も研鑽を積み臨床・研究活動を続け、患者様のために尽力したいと思っている。
最後に大学院進学は家族や職場、進学先の大学院の理解や協力が必要不可欠である。とくに20代30代の臨床工学技士の方々における今後のキャリア形成の参考のひとつになればと思う。
PS1-3 思いをかたちに ~技士会における医工連携活動~
尾立 拓弥
大分県厚生連 鶴見病院
【はじめに】平成22年10月に産学官協働で地域活性化と医療関連分野でアジアに貢献する地域を目指す目的で, 東九州メディカルバレー構想が立ち上がり大分県, 宮崎県共同で活動を行っている. 介護・福祉機器分野を含む医療関連機器産業の国際競争力および産業競争力の強化と海外市場への展開も視野に入れている. 大分県臨床工学技士会においても医工連携活動として臨床現場に落ちている小さな要求(以下ニーズ)を拾い集め, ものづくりの流れをつくり, 県の取り組みに協力して現場レベルからの活動を行っている. 現在までの取り組みに関して報告する.
【活動内容】大分県医療ロボット・産業会の補助事業を業務委託されたコンサルティング会社と医療機関, 中小企業, 製販企業で共同し, 技士会活動として臨床現場のニーズの募集とセミナー等の開催を2020年より行った. 結果, 臨床工学技士を中心に他職種も含め109のニーズが集まった. ニーズとのマッチングに関しては, コンサルティング会社が中心となり特許性や新規性の確認をしながら製品化に向けて活動した結果3つのニーズが製品化に向けて動いている.
【考察】製品化活動をする中では, 仮に製品化した場合の販売網の展開, 製品化したメーカーとの利益配分, ニーズをサンプル化する際の費用の不足など解決すべき問題は多い. その中で, 医工連携における製品化までのプロジェクト全体の進歩を牽引する人材育成, 行政や行政機関の進歩管理や定期的にミーティングなどを行い続けるかが重要なカギとなると考えるが, そこには医療機関の窓口として医工連携にある程度の知識を持つコーディネーターとしての臨床工学技士も必要であろうと考える.
【結語】医療現場の機器を実際に管理する臨床工学技士は, 現場からのニーズや既存の機器への評価, 意見, 使用方法などを企業側に伝えうる強力なエンドユーザーたり得る. 医工連携活動を通し, 医療現場側目線からのより良い製品の開発参入ができるよう今後も活動を継続したい.
PS1-4 女性技士のキャリアとの向き合い方について
久保 秋桜水
医療法人社団永和舎 延岡クリニック 主任
【はじめに】 近年, 女性の働き方改革が着目されている. これまで見えてこなかった女性ならではの健康管理やワーク・ライフ・バランスの確保は重要な課題となっている.
日本臨床工学技士会では, 2023年より女性活躍WGが発足し, 女性臨床工学技士(以下, 女性技士)の活躍が期待されている. 今後, 女性技士がどの様な心構えで業務に臨み, 職場環境を整えていく上で, 改善すべき課題は何かを検討したので報告する.
【方法】 管理職の立場から, 職場環境改善を目的として, 当院で取り組んだ「業務の見える化」・「年間スケジュール前倒し・後伸ばし可能事案の選定」の2つの方法について有効性や課題について協議した.
【結果】 お互いの仕事内容の開示や把握が可能となり, 円滑な業務の遂行ができた.
【考察】 「業務の見える化」・「年間スケジュール前倒し・後伸ばし可能事案の選定」は, 女性技士の職場環境の改善だけでなく, 部署内でいつ誰が離脱しても業務が滞りなく行われる為に重要な事項であると考察する.
【まとめ】 女性の人生設計における大きな転機として, 結婚・妊娠・出産が上げられる. これらの変化により, 長期離脱するケースがある. 「業務の見える化」・「年間スケジュール前倒し・後伸ばし可能事案の選定」を行う事は有効であり, 今後, 女性技士の望まない職場離脱を減らし, 活躍の後押しをすると考える.
PS1-5 「臨床で働く」フリーランス臨床工学技士の取り組み
中村隆志
CE-WORKS 臨床工学技士 代表
近年, 様々な業種でフリーランス化が進み, 医療業界でも「個の強み」を生かした働き方に取り組んでいる医療従事者が増えてきているように思う. フリーランス看護師によるツアーナースやトラベルナース, 理学療法士が経営している整骨院や訪問看護事業所など医療従事者の多種多様な働き方が増えてきている. 我々臨床工学技士は医療と工学の専門家として, 医療設備の整った大病院, 透析治療や循環器治療を行っているクリニックに雇用される「常勤」での雇用が一般的であるが, 業務の性質上雇用形態が選べないことで結婚や妊娠, 育児や親族の介護等において自身のWLB(ワーク・ライフ・バランス)を保てず, 臨床工学技士として働くことを諦めなければならないケースも増えている. また, 自身の持っている知識や技術を生かした副業, 業務以外で興味のある分野でのキャリア形成を望んでも, 病院側の意向や方針などによって実現できないことも多くあると思う.
これまで臨床工学技士のフリーランスは国内においても数名先駆者がおり, 個人事業や株式会社として起業されている方々が存在する. しかしながら, 医療機器の取り扱いに関する講習会やセミナー活動, 医療機器に関連した執筆者など比較的アカデミックなフリーランスが多く, 臨床で働いているケースはあまり事例がなかったように思う. 私は2021年4月Covid-19の真っ只中に鹿児島県で臨床工学技士のフリーランスとして起業し, 臨床工学技士のノウハウや技術を必要としている病院と業務委託契約を締結し, 主に臨床で業務を行っている.
臨床工学技士経験年数は19年目になるが, フリーランスとしては3年目であり, まだまだ実績も少なく, 営業手法や業務対応において課題も多い. 今回, 私がフリーランスに至った経緯や想い, 現在の仕事の取り組み方などについてわずかではあるがご紹介させていただく.



