| 座長: | 内藤 翼 (製鉄記念病院) |
| 野田 有希(長崎大学病院) |
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PS2-1 離島医療における内視鏡業務について
野地 亮平
医療法人徳洲会 徳之島徳洲会病院 臨床工学科 係長
【背景】 医療機器の発展に伴い, 臨床工学技士には多岐に渡る様々な要請がある. 内視鏡業務もそのうちのひとつとして, 検査や治療のデバイス操作を含めた直接介助を担当している. さらに, 当院は離島島内の医療を担う病院の中でも重要な役割を担っている施設である. そのために求められる内容も様々あり, それらへの対応・対策も必要となってくる.
【CEの役割】 内視鏡関連装置の点検や使用後のファイバーの洗浄・消毒, 検査・治療の直接介助業務, デバイスを含む機材の管理・採用に関する部分まで多くを担っている. 離島ならではの事情等にも対応が必要である.
【業務の実際】 当院内視鏡室は1ブースのみで, 医師は 1 名, Ns は外来看護師が1~2名, CEが1名の体制で検査・治療を行なっている. 日中業務ではNsは注射・記録・前処置・回復室管理を, CEは機器の点検・準備から片付け, 検査・治療中の直接介助を担当している. 時間外緊急症例に関して Ns は外来の当直者が1名, 待機医師が1名, 待機CEが1名で対応. また島内において当院にて対応できない場合は奄美大島や沖縄等の医療機関への島外搬送が必要となる, その他にも自然災害等さまざまな事例に備えておく必要があり, 最低限どのデバイスがどの程度必要なのか, 何が起こり得るか想定し都度検討・対策を思案しCEが主体となり物品機材の管理・発注を始め, 内視鏡室の運営に従事している.
【結語】 さまざまなニーズや事象に対応することのできるスタッフの養成には時間がかかるため, 今後何かしらの具体的対策等が必要である.
PS2-2 当院内視鏡室の感染管理における質の保証への取り組みと課題
中尾 恭平
公立八女総合病院 臨床工学科
【はじめに】 当院では2010年より臨床工学技士が内視鏡業務に参入している. 内視鏡業務参入直後は感染管理など看護師中心で行っていたが, 近年当院の内視鏡室を取り巻く環境の変化に伴い臨床工学技士が感染管理においても大きな役割を担ってきている.
【現状】 当院は2019年度まで年間内視鏡件数約2,500件ほどだったが2020年度より900件以下と大幅に減少しその後も変わらず推移している. 内視鏡件数減少にともない内視鏡スタッフの数も減り, スタッフの動き方や内視鏡機器の運用も大きく変わることとなった. また, 同時期にcovid-19が流行し始め感染管理について改めて考える機会となり, 『消化器内視鏡の感染制御に関するマルチソサエティ実践ガイド』(以下実践ガイド)を見直すなどして感染管理の質の保証に努めている. 実践ガイドには内視鏡室のレイアウトや検査時対応, 洗浄・消毒・滅菌など多くの内容が記されており, それぞれ推奨度Ⅰ(実施すべき事項)・推奨度Ⅱ(実施が望ましい事項)の2種類に分類されている. 推奨度Ⅰの項目を実施するのはもちろんだが, 内視鏡室のレイアウトなどにある推奨度Ⅱの項目においては当院の構造上実施が難しいものもあるが可能な限り実践できるように工夫している. また, 定期的にATP測定を行うなどして内視鏡スコープの質の保証に努めている.
【課題】 先述した通り当院の内視鏡件数減少に伴いほとんど使用しない内視鏡スコープや周辺機器が増えておりそれらの機器の質の保証が課題の一つである. 『内視鏡の洗浄・消毒におけるガイドライン(第2版)』においては内視鏡スコープの細菌培養検査を年1回実施することが推奨されているがいまだ取り組めていないこと, また他職種への教育なども課題としてあげられる.
【おわりに】 感染の発生は患者・医療従事者双方の不利益であるため, 今後も様々な面で質の保証を保てるように努めていきたい.
PS2-3 当院における内視鏡感染管理の「質の保証」への取り組み
髙宗 伸次
社会医療法人恩賜財団 済生会熊本病院 臨床工学部門 教育・技術係 係長
【はじめに】 内視鏡室における感染管理は, スコープの洗浄消毒のみならず, 内視鏡システム本体, 周辺機器, ベッドおよびスタッフなどの内視鏡室全体の環境への対応が必要であり, 感染管理の質の保証において, 重要な要素の一つにバリデーション(検証)がある. 今回, 当院での感染管理のバリデーションの取り組みについて報告する.
【質の保証への取り組み】 当院では「消化器内視鏡の感染制御に関するマルチソサエティ実践ガイド」をはじめ, 各ガイドラインを遵守して感染管理を行っており, その質の維持, 向上のためのバリデーションとして, 定期的に感染対策の実施状況調査や, スコープの清浄度管理を目的としたATP検査, 培養検査を実施している. ATP検査は, キッコーマンバイオケミファ社製ルミテスターを使用し, 上部用や下部用などの用途ごとにランダムに選択した計10本のスコープを毎月検査しており, 2022年は基準値に対する合格率が94.3%であった. 不合格の場合は, 合格になるまで再洗浄を行うとともに不合格の原因を検討することで洗浄方法の確認や,必要時には洗浄マニュアルの改訂につなげている. また, スコープの培養検査はスコープの形状ごとにランダムに選択したスコープを年に1本ずつ計16本行っており, 内視鏡室にて採取した検体を臨床検査部にて培養を行い, 結果は院内の品質管理を統括するTQM(Total Quality Management)部の感染管理室と共有している. 結果としては, これまで基準を超える細菌検出は認められなかった. この他に感染対策の実施状況調査として, 手指衛生遵守率を毎月モニタリングしている.
【結語】 バリデーションは, 感染管理のプロセスの適正性や効果を確認し, 患者の安全性と感染リスクの管理を向上させるために重要である. 今後も継続的に行っていくとともに, 新たな技術を積極的に取り入れ, より安全な内視鏡検査を提供できるように取り組んでいきたい.
PS2-4 当院の感染管理における「質の保証」を目指して
浦瀬 憲一
地方独立行政法人佐世保市総合医療センター 医療技術部 臨床工学室 主任技師
【はじめに】 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に関して, 消化器内視鏡診療の実施については, 国, 厚労省の方針や, 各施設の状況等を考慮した対応が求められてきた. 比較的感染リスクの高いとされる内視鏡検査も十分な感染対策を行うことで実施してきた. コロナ禍においても緊急内視鏡・内視鏡治療はもちろん病気の治療方針の決定のために内視鏡検査は重要であり, 患者・医療者双方が安心して検査を行える環境を整えることが重要である.
【背景】 これまで度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されてきたが, 令和4年初頭からはオミクロン株が主体となり, 一時感染者数は増加したものの重症化率は減少した. また, ワクチン接種が普及しており, 既に5回目の接種も始まっている. 様々な状況での規制緩和がなされ, 感染症法5類への移行もなされた. しかしながら医療現場においては, 現在でも感染リスクを常に念頭に置きつつエアロゾルを発生する内視鏡診療においてはPPEを中心とした感染対策を行い検査・治療を遂行していかなければならない.
【CEの役割】 内視鏡診療において臨床工学技士の業務支援の重要性が高まっている中で, 医療機器の点検等による安全確保, スコープ等の洗浄消毒による感染管理の安全確保に貢献することが重要である. そのためにも必要な情報の適切な提供やトラブルの抑制および発生時の対応が必要であり, その実現のためにも医療機器のスぺシャリストである臨床工学技士と他職種との連携はより重要になってくると考える.
【考察・結語】 COVID-19 感染症は大きな転換期を迎えているが, 様々な経験やエビデンスにより, 各施設のマニュアル等も更新されていくと考えるが, 医療従事者として新たな感染症が流行しても内視鏡診療の安全な実施や感染管理における質の保証を保つこと目指して日々情報を張り巡らせ, 備えておくことが重要だと考える.



